2024/11/28

深刻化する少子高齢化

今後さらに深刻化していく

2040年以降が山場

少子高齢化が続く日本において、最大の山場がやってくるのは2040年以降といわれています。2019年に開催した第81回社会保障審議会・介護保険部会の中で、2021年度から2023年度における介護保険事業計画についての議論が行われました。前回の議論では団塊の世代が後期高齢者に突入する2025年問題に向けた介護サービスの充実化が主な論点でした。今回は、2025年から2040年までに高齢化の進行度は弱まる一方で、社会保障を支える現役世代の人口も急激に減少する点に注目し、今後いかに効率的に介護サービスを提供していくかの議論がなされたのです。特に、2040年以降は高齢化の地域差が深刻化すると予想されており、何らかの対応が求められます。内閣府が発表する高齢者白書(2018年度版)では、2025年に75歳以上の後期高齢者が3,657万人まで増加し、国民の3分の1が65歳以上の高齢者になると予想されています。これが、2042年をピークに減少に転じます。
また、人口の流入によって高齢化が進む地域がある一方で、すでに高齢化のピークが過ぎ、介護サービスのニーズが減少している地域があることも分かっています。今後、日本の少子高齢化に関する課題はさらに複雑化することが予想されます。

特に深刻なのは都市部

高齢化の地域差について、今後も介護サービスのニーズが高まり続けることが予想されるのは、東京都をはじめとした都市部です。若い世代が都市部に流出し、高齢者が多く残された地域で少子高齢化が進行するといった認識を持っている人も少なくないでしょう。しかし、長い目で見た場合に対処が困難であるのは、人口の流入が多い都市部です。高度経済成長期以降に若い世代が都市部に流入したことから、高齢者が残った地域では新たな高齢者になる層が少なくなります。こういった地域においては、2025年に高齢化のピークを迎えた後、介護サービスのニーズは減少していきます。
それに対して、都市部は高度経済成長期に上京した団塊の世代が一気に後期高齢者に突入し、その下の世代も高齢者に近づいている状況です。2045年には、東京都の高齢者は30%を超えることが予想されます。膨大な高齢者の増加に伴い、当然ながら介護サービスのニーズも高まっていくでしょう。一方で、子育て支援に回せる予算を確保できず、出生率は低下しつつあります。現役世代が減少し、高齢者が増え続ける東京都では、少子高齢化が深刻化しています。東京都で介護職として働きたい人は、こういったデータにも目を向けて状況を理解しておきましょう。

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